元祖「異物」〜秋元真夏についての考察〜 (7)

スポンサーリンク
元祖「異物」〜秋元真夏についての考察〜 (7)
1 :

ハンター[Lv.15][苗警](東京都):2024/07/12(金) 22:04:58.09 .net
2011年8月21日、すなわち乃木坂46結成日。

その日に暫定選抜メンバーのフロント(センターの隣)として写真に写っていた彼女ですが「学業都合」によりそのまま活動を休止します。

次に我々の前に現れたのは1年と少し後、2012年10月に放送された『乃木坂って、どこ?』。

その日は4thシングルの選抜発表でした。
まず行なわれた、それまでの「七福神」が「八福神」になるという説明にざわつくメンバーたち。

そして最初に発表された3列目の端は、高山一実。

衝撃が走ります。

乃木坂46が見た最初の地獄『16人のプリンシパル』。
そこで「覇王」生田絵梨花に次ぐ結果を残したかずみんが3列目の端。
つまり、あのもがき苦しんだ日々が何らポジションに反映されていない。

そう感じたメンバーが多かったといいます。

発表は続きます。
なぜか後ろから前にではなく、3列目、フロント、そして最後に2列目を発表するという違和感のある流れ。

フロントは生駒里奈、生田絵梨花、星野みなみの「生生星」。
そして2列目はキャプテン桜井玲香に白石麻衣、橋本奈々未、松村沙友理の御三家が並びます。

残すは2列目一番右。そして福神最後のひとり。

可能性の高そうなメンバー、特に中田花奈が繰り返しカメラに抜かれる中で読み上げられた名前は。

 秋元真夏

「は?」
メンバーの間に声にならないその叫びが響きます。

理解不能。

次にカメラが抜いたのは、番組収録を見学していた私服姿の真夏さんでした。
その時から既にノースリーブでミニのワンピースというのがさすがというか笑

レッスンにはこれ以前から参加していたのでメンバーたちにとって「見知らぬ人」ではありません。

でも結成から1年以上休業しデビュー当初の厳しい状況も知らず、プリンシパルという地獄も味わっていない彼女が、いきなり福神?

選抜もアンダーも、誰もがこわばった表情のままでした。

わざわざ「八福神」などというポジションを用意し、発表の順番を最後に回してまで祭り上げる。
初期の運営が何度も繰り返した悪しき習慣、AKB的な残酷ショー。

そのダシに使われた中田花奈は収録後に泣き叫び、あおりを食って福神から外れた西野七瀬はスタッフに「大阪に帰ります」と告げたそうです。
この時に生まれたなーちゃんとの確執は2014年2月の2ndバスラでの「真夏、おかえり」まで1年4ヶ月も引きずることになるのです。

さらにそのすぐ後の『乃木どこ』。
真夏さんをフィーチャーするために行なわれたのはなんと真夏vs選抜全員、1対15の対決企画でした。

これも今にして思うととんでもない企画ですね。

もちろん「茶番」であり「台本ありのバラエティ」。

松村沙友理「日村さんのいいところ山手線ゲーム」、井上小百合「わんこうどん早食い」、生駒里奈「水中息止め」と敢えて自分の苦手なことを対決にして「いやそれお前勝つ気ないだろ!」と設楽さんに突っ込まれます。

最終対決で生駒ちゃんが1秒で顔を上げ「苦しかった…」。
真夏さんが8勝7敗で勝利。

それでも、画面から終始伝わってくるのは隠し切れないピリピリしたムードでした。

西野七瀬とはこの時「手押し相撲」で対決したのですが、至近距離で押し合いをしながら一度もふたりの視線は交わらなかったそうです。

——

2 :

ハンター[Lv.15][苗](東京都):2024/07/12(金) 22:06:10.42 .net
今にして思えば、秋元真夏は乃木坂のメンバーとファンが初めて経験する「異物」だったのです。

もちろんファンは猛反発しました。

真夏さんが凄いのはここからです。

選抜発表の放送直後(なんと0時28分!)に初のブログ更新を行い「今日から復帰することになりました」「がんばります」とコメントしていた彼女。

しかし放送を観たファンからの猛烈な拒否反応を目にし、その翌日に再びブログをアップするのです。

その内容がこちら。

 発表から1日

 4thシングルの選抜メンバーの発表から1日が経ち、いろんな方の気持ちや意見もたくさんたくさん伝わってきました。

 また改めて、いきなりこのポジションに立たせていただいていることがあらゆる人に迷惑をかけてしまったり悲しませてしまっているんだということもわかりました。

 じゃあこの場にいる私はどうするべきなのか?と何回も何回も真剣に考えました。

 私なんかがいつまでもクヨクヨしてる場合じゃないんです。

 今はチャンスを与えていただいた。

 だからメンバーや、メンバーのことを応援してくださっている方々の色々な気持ちを背負って、今の状況に決して甘えないで一生懸命全力で進んで行かなきゃいけないんです。

 もらったチャンスは、チャンスのままにしておいちゃいけないと思うんです。

 いただいたチャンスの中で一生懸命努力して、いつか自分の持っている力と結びついたとき、そのときがみなさんに認めていただける時なんじゃないかなと感じています。

 なので今は賛否両論すべてを受け止めて、一歩一歩前に進みながら一生懸命取り組んでいこうと思います。

 最後にたくさんのコメントをくださった方々、ありがとうございました(/ _ ; )

 応援してる!とかこれから頑張ってね!って言ってもらえたことがすごく嬉しくて元気がでました。

 これから私は乃木坂46で頑張って行きます。

(引用元:「あれから1日」乃木坂46秋元真夏公式ブログ 2012.10.09)

いや正直今回この記事を書くにあたって初めてこのブログを読んだんですよ。(私も当時真夏さんの抜擢に反発を覚えていたのでブログをチェックしていなかった)

衝撃ですね。

わずか1日でこれを書ける。

その後に「異物」となってしまった堀未央奈や中西アルノはもとより、現在に至るまで数多くの乃木坂メンバーが苦しんできた「抜擢」「初選抜」「初センター」というポジションの重み。「私なんかがここにいていいのか」という問いかけ。

それに対する完璧な答えがここにあります。(「賛否両論すべてを受け止め」る必要はないと思いますけど)

「チャンスを活かすことこそがチャンスを与えられた者の使命であり、それこそが与えた者たち(=運営)と与えられなかった者たち(=メンバー)に対する礼儀である」

このグループアイドルにおける真理−ただわかってはいてもなかなかそう発言するのも実践するのも難しい−に彼女はこの時点で到達しているのです。

もの凄い。空恐ろしいと言ってもいいくらい。

いわゆる「メンタルの強さ」とは異質なもののように思います。

むしろ自分自身を理屈で納得させて無理矢理にでも前に進ませる力というか。

この「クレバーさ」と「我慢強さ」が合わさった結果である、一種の「自己実現力」。

この彼女の最大の武器が、期せずしてアイドル人生の第一歩で花開くことになったのです。

——

3 :

ハンター[Lv.16][苗](東京都):2024/07/12(金) 22:10:00.73 .net
真夏さん復帰まで、乃木坂において握手対応はあまり重視されていませんでした。

いや、これは言い過ぎですね。
初期の一番人気は「剥がしに抵抗してファンの手を離さない」松村沙友理でしたし、西野七瀬の成り上がりも握手対応の良さが大きな要因でしたから。

でもAKB48に対するカウンターというグループの成り立ちゆえか「媚びない」ことを是とするファンも一定数いました。
極論を言えば「乃木坂のビジュアルがあればファンに媚びる必要なんかない」と。

しかし真夏さんは「釣り師」と呼ばれるその抜群の対応で瞬く間に握手人気を上げていきます。

5th『君の名は希望』の個別握手会では既に白石麻衣、橋本奈々未、松村沙友理の御三家と西野七瀬、生田絵梨花そして深川麻衣に次ぐ7番手の位置につけます。
続く6th『ガールズルール』では御三家となーちゃんの30/30部フル完売に続く28/28を達成。ちなみにこれ以降すべてのシングル個握でフル完売を続け、21stから免除となりました。

最初期から絶対的な存在である御三家と「ピープルズチャンプ」西野七瀬を脅かす存在にまでなったのです。

その躍進は周囲のメンバーにも大きな影響を及ぼしたのでしょう、真夏さんの加入以降に明らかに他のメンバーの握手対応も良くなったと言われています。(いわゆる「真夏ショック」です)

これにより握手人気の二極化が進みます。

真夏ショックに対応できたメンバー(例えば桜井玲香、深川麻衣、若月佑美)は6th『ガールズルール』から一気に多部数でフル完売に近い数字に伸ばしてきます。少し遅れて衛藤美彩もこれに続きました。
逆に対応できなかった=釣り対応を苦手としたメンバーの握手人気は伸び悩みます。
最も顕著な例は市來玲奈でしょうか。彼女以外にも若手メンバーのほとんどが苦戦を強いられます。

6thから10thあたりは上10人(さきに名前を挙げた9人+生田絵梨花)は30部フル完売。それ以外のメンバーは一桁完売という感じでした。

この結果として生じたのは、いわゆる「運営序列」を決める要素の変化。
あまりにはっきりした差が出たため、握手人気を無視しきれなくなったのです。
初期からいわゆる「運営推し」と目されていたメンバーの何人かがこの時期にアンダーを経験することになります。
(余談ですが次にフル完売メンバーとなるのはアンダラ2ndシーズンの大ブレイクを受けての齋藤飛鳥でした)

つまり秋元真夏がグループ内の握手対応を底上げし、それを一因として「握手人気重視」という傾向が生まれた。そしてそれは現在に至るまで続いている。

真夏さんはゲームチェンジャーだったのです。

長い目で見れば、これがグループにもたらした影響は非常に大きかった。

そりゃ「媚びる必要なんかない」と思っていた人だって、目の前で実際に媚びて…いや愛想良く接してくれたら嬉しくないわけがありません。

握手会商法の是非や個人的な好悪はともかく、乃木坂が現在の大きさにまで発展した要因のひとつとしてこの「こんなに綺麗な子がこんなに愛想よく接してくれる!」という驚きがあるのは否定できないでしょう。

——

4 :

ハンター[Lv.16][苗](東京都):2024/07/12(金) 22:11:13.77 .net
すなわち真夏さんはゲームチェンジャーであったと同時に、グループが大きくなるための重要なターニングポイントともなったのです。

だいぶ前からほとんど使われなくなりましたが「握手特化型」という言葉があります。

歌も踊りも苦手でビジュアルも目を引く美人というタイプではない(失礼)彼女はこれに該当するでしょう。

個人的にこの言葉から受けるイメージは「計算高い野心家」。
まあこれは裏返せばクレバーでセルフプロデュースが上手いということなんでしょうけれど。

しかし真夏さんはこのイメージから少し外れていました。

賢いし、目立ちたがりなのは間違いない。
そんな他推しのファンからすると非常に厄介な存在なのですが笑、どこか憎めない。

それは彼女の溢れる愛嬌、そしてその源となる人柄によるものであることが次第に明らかになります。

個人的に印象に残っているのが映画『超能力研究部の3人』のメイキングで、怒る演技ができないため共演者からアイドルとしての彼女を全否定する挑発的な言葉を投げかけられる(という仕込み)も一切言い返さないで我慢してしまう姿。

後にメンバーから「何をしても怒らない」と言われた彼女の人柄が垣間見えます。

そして真夏さんが完全に馴染んだのが見て取れたのが2014年4月『乃木坂って、どこ?』での「秋元腹黒い裁判」。

普段からメンバーとスタッフさんしかいない現場でも肌を見せる格好をしている真夏さん。
樋口日奈が「普段から周りの目を引こうとしてるのかな?」と疑問を差し挟むと彼女はこう答えます。

「逆に…なんで気を引いちゃいけないのかな、って」

「いいぞ!」と喝采を送るバナナマンのふたり。

黒石さんが初めて発動したのはこの時です。

この時点ではもう完全に真夏さんが受け入れられていて、いじりとして成立しているのが明確にファンに伝わる内容でした。

ちなみに、この少し前に例の「真夏、おかえり」があり西野七瀬とのわだかまりも解消しています。

——

5 :

君の名は 警備員[Lv.6][新芽](茸) (スププ Sd43-Dm0z):2024/07/12(金) 22:22:31.00 ID:3P24FmsZd.net
2ゲット

——

6 :

ハンター[Lv.5][苗警](東京都):2024/07/12(金) 22:25:30.88 .net
冠番組では「あざとぶりっ子」と「頭がデカい」というたったふたつの武器で大活躍でした。

困った時の真夏さんという感じで正直食傷気味…というか私は完全に食傷していましたが笑、大いに貢献してくれました。(これは2代目いじられスター新内眞衣が登場するまで続きます)

既に述べたように瞬く間にトップ層に迫る人気を得た真夏さん。

しかし、立ち位置としては基本2列目でした。

ざっと並べると、

4th5th 福神
6th〜8th 3列目
9th〜31st 福神

例外は17th『インフルエンサー』が初のフロント(左端)。
19th『いつかできるから今日できる』は3列目。ただこれは『あさひなぐ』出演メンバー優先のフォーメーションだったからですね。
24th『夜明けまで強がらなくてもいい』も3列目。
そして29th『Actually…』は中西アルノの保護者としてフロント。こちらは右端。

ベストグリッドはフロント端2回。
結成日の「センター横」というポジションに再び立つことはありませんでした。

バイプレイヤーと呼ぶには存在感が大きすぎる。不動のレギュラー。
だけど、エース級ではない。
『キャプテン翼』でいえば「石崎くん」というところでしょうか。

写真集も結構売れてるけどめちゃめちゃ売れているというほどでもない、なんというか2列目として妥当な売れ行き。

個人的にライブでは「人気の割に抜かれない」印象もありました。

そんな「実に2列目」な活躍を続けていた真夏さん。

しかし2019年、彼女の乃木坂人生を大きく変える出来事が起きます。

2代目キャプテンに就任。

ここから彼女の第2章が始まります。

卒コンで本人の口からも語られましたが、当時多くのファンも桜井玲香より年上である真夏さんがキャプテンになることに違和感を感じていました。

明らかなショートリリーフ。(当時は29歳までグループにいてくれるとは思っていませんでした)
であればどう見ても未来のキャプテンである梅澤美波にこのタイミングで引き継いでしまった方が良いのでは、と。

——

元スレ : http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/nogizaka/1720789498

続きを読む
スポンサーリンク